顎機能診断施設 ⾃⽴⽀援医療指定機関
関本矯正歯科

予防治療

フッ素イオン導入とフッ素塗布って違うの?
フッ素イオン導入法は、フッ素を分子レベルで⻭の内部に浸透させる方法です。この方法ではフッ素がエナメル質の深部にまで到達し、虫⻭に強い丈夫な⻭を作ることができます。『クリニックでのみ』行えるこの手法は、年齢を問わない効果的な予防方法です(通常の塗布だと、成人のエナメル質表面には取り込まれ難い)。
萌出したばかりの永久⻭のエナメル質表面は成人後の⻭と異なり表面に凹凸が多く、フッ素を効果的に取り込む事が可能です。 フッ素イオン導入法による永久⻭う蝕予防の臨床実験的研究では、小学1年生の男子で虫⻭発生率が48.5%抑制される結果が出ました。また、小学4年生の女子では50.6%の抑制効果が確認されました。これらの結果は、フッ素イオン導入法が特に小学生の虫⻭予防に非常に有効であることを示しています。
また、南カリフォルニア州⻭科医師会の研究では、フッ素イオン導入法を用いることでフッ素のエナメル質への浸透が向上し、酸に対する抵抗力が増加することが確認されています。また、フッ素イオン導入法の場合は、施術直後の飲食が可能なため、うがいや食事を我慢できなかったお子さんにも嬉しい方法です。
フッ素イオン導入法の仕組み

フッ素の効果とは?
① 『再石灰化の促進』
「虫歯」はエナメル質が溶けた状態の事です。フッ素にはそのエナメル質の再結晶化を促進する効果があります。
② 『歯質の強化』
萌出したばかりの永久⻭表面のエナメル質は成人後の⻭と比べエナメル質表面の結晶が粗造なため虫歯になり易い状態です。フッ素を使用することで歯の表面は安定した結晶となり、酸に溶けにくい強い結晶になります。
③ 『むし歯菌を弱らせる』
歯垢(プラーク)が作られるのを抑制し、むし歯菌を弱らせます。むし歯菌が出す酸の量を抑えることによって、むし歯になりにくい歯になります。

萌えたての永久歯は大人の歯と異なり表面に凹凸があるので、より多くのフッ素を取り込むことができ、効果的にフッ素を使う事が出来ます。つまり、フッ素イオン導入法は乳歯の時期や永久歯に萌えかわる時期が一番大きな効果を得られるということなのです。成人においても成熟したエナメル質に対してフッ素をイオン化することで効率良く取り込むことが可能なため、大人の予防法としても非常に有効です。
おとな・こども どちらにもお勧めです
①知覚過敏の方
フッ素イオン導入法は知覚過敏の原因になる象牙質内のフッ素濃度を高め、象牙細管内の微小球状構造物を作って象牙細管を封鎖または狭窄することで、象牙質知覚過敏症の症状を軽減すると考えられます。この微小球状構造物は主にフッ化カルシウムとフルオロアパタイトから成ると推測されます。 フッ素イオン導入法は、フッ素の象牙質内浸透を促進し、象牙質知覚過敏症の治療に有効なので知覚過敏の方がフッ素イオン導入をすることでしみるなどの症状が軽減します。大人の方にペースト状のフッ素を塗布しても成熟してしまった歯はそこまでフッ素を取り込みません。イオン導入だとフッ素を歯の内部に取り込むことが可能なため、歯質強化の意味でもイオン導入は非常に有用です。
②永久歯生え変わりのお子様・矯正治療中のお子様
生え変わり時期の小学校〜中学校のお子さんの歯は虫歯になりやすいため、フッ素イオン導入は非常に有効です。大切な歯を一生涯守るために、普段の口腔ケアと併せて、ぜひこの方法を取り入れてください。また矯正装具使用中でも問題なく施術可能です。矯正治療中に虫歯にならないためにもご利用ください。
③ホワイトニング後(当院のポリリン酸以外)はフッ素取り込み量UP
ホワイトニング後はエナメル質が一時的に弱くなるため、フッ素イオン導入を行うことで、効果的にフッ素を取り込み、歯の強化を図ることができます。当院施術のホワイトニングはそれ自体に歯質強化の作用がありますので、効果の対象外となります。

フッ素の効果はいつまで?
歯医者での高濃度フッ素(9000ppmF)塗布・イオン導入ともに効果は約3ヶ月持続します。虫歯のリスクが高い場合は1〜2ヶ月の頻度が推奨されますが、1ヶ月以内の頻繁な塗布は歯のフッ素症のリスクがあります。
フッ素イオン導入は歯質の強化、再石灰化の促進、虫歯菌の抑制に効果的です。
永久歯が完全に形成される萌出後間もない時期(小学校3、4年生まで)は特に虫歯に注意が必要ですので、3ヶ月に一度のフッ素利用を虫歯予防にお役立てください。